こんにちは、福岡市博多区古門戸町のやまだホワイトクリニック歯科の安増です。
皆さんはご自身が歯ぎしりしてるかわかりますか?
自分ではなかなかわかりにくいですよね。
自分ではなかなかわかりにくいですよね。
歯ぎしりというのは、歯をすり減らしたり、歯周病が進行する原因のひとつになるなど、色々な歯のトラブルを引き起こす原因にもなります。今回は歯ぎしりについてお話ししていこうと思います。
歯ぎしりや食いしばりなど、歯と歯が当たって起こるブラキシズムは、口の中のさまざまなトラブルの原因 になります。
まず、歯そのものに、異常な摩耗が認められ、歯の元々尖っていたところが平らになることがあります。歯の表面のエナメル質が削り取られてしまい、中の象牙質が外に出てきて、その結果冷たいものがしみたり、歯と歯茎の境目付近の歯質が欠けてくることで、歯磨きの際などに、敏感に反応したりすることがあります。
次に、歯周病との関係性があげられます。歯周病は基本的に細菌による感染症なのですが、これを進行させる原因のひとつとして、噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどの歯にかかる力が大きく関わっています。歯周病で歯の周りの骨が減って歯が揺れだしたところに、噛み合わせによる揺さぶりの力が加わることで、骨の吸収や歯茎の退縮をさらに進行させてしまうのです。
歯ぎしりというと、寝ている間にギリギリ音を立てるようなものが一般的に知られていますが、実は、ギリギリと歯をすり合わせるタイプ、顎の水平的な動きがなく、非常に強い力で歯を食いしばるタイプ、カチカチと歯をかみ合わせるタイプの3つに分類することができます。
実際はこれらが混ざっている場合が多く、これらをまとめて、ブラキシズムと総称しています。しかし、ブラキシズムは人に指摘されなければ気づくことが難しく、多くの場合、本人は知らないことが多いようです。
ブラキシズムには、ストレスや過労が原因になる場合 と、噛み合わせなどに問題があるために、顎の筋肉が緊張して引き起こされる場合とがあります。
ブラキシズムの特徴は、大半が眠っている時に起こる という点ですが、実はこれが大きな問題になっていま す。起きている時は、過大な力が歯にかかると、神経の 反射が起きてこれを感知し、反射的に力を緩めるようになっています。ところが、眠っている時は、この機構がうまく働かず、睡眠中に歯にかかる力は、起きている時に比べて非常に大きなものになってしまいます。
また、起きている時に、歯と歯が接触している時間は、 数分から数十分だと言われているのですが、ブラキシズムのある人では、夜の間に、この数倍以上の時間、歯に力をかけていることになります。
差し歯がある方は、ブラキシズムが原因で歯根が破折してしまうこともあり、要注意です。普段、部分入れ歯を装着している方は、はずしている夜の間に残っている歯に、強い力がかかれば、破壊が進む可能性もあります。
このようにブラキシズムが引き起こすと考えられるトラブルはたくさんあります。しかし、現在のところそ の原因がはっきりしないことが多く、ほとんどの場合、 マウスピースを作るなどの対症療法が採られているというのが一般的です。これと言った治療法がないため、患者さん一人一人について情報を集め、対処していく必要があり、医師と患者さんとのコミニュケーションがとても大切になります。
ブラキシズムの症状がある方、気になる方はぜひご相談下さい。