海外での親知らずの抜歯

歯科治療で良く話題になる親知らずですが、歯茎の中に横向きに埋伏していたりする場合もあり、痛みや腫れなどの症状が出ず、その存在すら気付かれていないことも多いです。

それでも、お口の中の清掃状態が悪い状態が続いたりすると、いずれ親知らず周囲の歯茎が腫れて痛みが出ることがあります。

抗生剤などのお薬と汚れを落とすことで症状が落ち着きますが、一度症状が出ると繰り返すことも多いのが特徴です。

そうすると、症状を落ち着けてから抜歯をしていくことになります。

日本では、保険治療を行うことができるため、4~5千円くらいで抜歯することができますが、転勤先、留学先なので症状が出てしまった場合、当地で抜歯することも検討しなければなりません。

海外では保険の制度がないので、一律の金額ではないかと思いますが、海外で親知らずの抜歯を受けた方のお話によると、アメリカで左右上下4本一回で抜歯した場合、600ドル(およそ6万8千円)。

ドイツで上の斜めの親知らずを抜歯した場合、300ユーロ(およそ4万円)。

予防大国スイスでは、ドイツの倍ほどするそうです。

ちなみにスイスでは、歯周病で腫れた歯茎にちょいと薬を塗るだけで2万円かかったりすることもあるそう。

お金がかかるから予防しようという考えが虫歯や歯周病罹患率を格段に下げているのでしょうけど、日本人でよかったなと思う瞬間でもあります。

そう考えると、海外に行く前に日本で親知らずを全部抜歯したいかも!?という気持ちになってきた方もいらっしゃるかもしれません。

親知らずの抜歯をすると、斜めに埋まった歯だと抜歯後縫合をしますし、抜歯後の消毒も必要になります。

左右一緒に抜くと、抜歯後の食事等が大変になるので、当院では基本的に片側上下の抜歯をした後2~3週間後に反対側の抜歯を行います。

直前での抜歯は、お勧めしませんので早めの受診をお勧めします。

皆さんも、長期に海外へ行かれる際は、歯茎が腫れたり虫歯で痛い思いをしないで済むように、歯科受診をされてしっかり歯磨きをすることをお勧めいたします。