こんにちは。博多区のやまだホワイトクリニック歯科の森です。
今日は皆さんも一度は気にされた事があるであろう口臭についてのお話です。
厚生労働省の口臭の定義には、「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」とあります。また、口臭の分類として、日本口臭学会によると、生理的口臭と病的口臭に分けられています。
生理的口臭:①加齢、起床時、空腹時、緊張時、疲労時の口臭
②ホルモンの変調(妊娠時、月経時、思春期、更年期等)による口臭
③飲食物、薬物(ニンニク、アルコール、活性型ビタミン剤等)による口臭
病的口臭 :①口腔領域の疾患(歯周病、炎症性舌苔、悪性腫瘍等)
②耳鼻咽喉科領域の疾患(副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症、悪性腫瘍等)
③全身疾患(糖尿病、肝疾患、腎疾患等)
とはいえ口臭の大部分(80%以上)が、歯周病を代表とする口腔内の疾患が原因です。
1999年度の厚生省の保健福祉動向調査では、約3.3万人のうち10%が「口臭が気になる」と回答しました。
1992年に15~64歳の2,672名を対象に行った九州歯科大学の調査では、口臭には日内変動があり(上図参照)、口臭の自己評価と実際の口臭の有無とは相関しないことがわかっています。つまり、自分で感じていても実際は口臭がなかったり、自分では問題ないと思っていても口臭がある可能性があるわけです。
さらにこの調査では、測定時間によりばらつきはありますが、社会的許容限度を超える強さの口臭を持つ成人は6%~23%もいることが明らかにされています。
また、江崎グリコの調査によると、13.1%もの人が、口臭が原因で付き合いをやめたり避けたりするようになった人がいると回答されています。
口臭の原因の多くは口腔内の清掃不良からくる疾患と考えると、やはり毎日の歯磨きが重要になってきます。また、毎日しっかり歯磨きをしていたとしても、難しい場所に残ってしまった汚れが口臭の原因にならないように定期検診を受診することも効果的だと思います。