患者さんから 「なんで歯は一生で一回しか生え変わらないの?何回も生え変わったら歯で困らないのに」 といったことを言われることがあります。確かに、新しい歯が何度も生えてきたら便利かもしれませんね。
ヒトは親知らずを除けば12歳頃に28本の永久歯(大人の歯)が生え揃い、その後は新しい歯は生えません。一方、何度でも新しい歯が生えてくる生物もいます。 代表的なのがサメで、予備の歯を何列分も常備し、1ヶ月のペースで歯が生え変わって行くそうです。
歯で苦労しないサメは羨ましいなと思うかもしれませんが、サメの歯は骨に埋まっておらず、硬いものを噛むとすぐ抜けてしまいます。また、ヒトのように「噛み切るための前歯、すり潰すための奥歯」と機能が分かれていませんし、歯根膜という組織もありません。 低機能で使い捨て といった所でしょうか。
ヒトの歯はサメのように何度も生え変わったりしない代わりに、高機能で何十年も持つ立派な歯をもっています。 しっかりと虫歯・歯周病対策をおこない、一生涯使っていきましょう。